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2013年8月16日 (金)

症状経過で否定されたCRPS(25.1.22)

1 東京地裁平成25年1月22日判決(自保ジャーナル1895号101頁)

  この事件では左上肢のCRPSが問題となっています。

この事案の特徴は、①判決がCRPSについての初歩的な知見に反することを多々述べていること、②診断を検討するための論理を用いていないこと、③自賠責の3要件基準を診断基準と誤解していること、④病期説を診断基準と誤解していること、⑤因果関係と抱合わせで結果を否定する論理を多用していること、などです。

 

2 症状の経過

 被害者は事故時55歳位の女子飲食店勤務兼家事従事者です。平成17年8月8日に、自転車を運転していて、停止中の自動車の開いた運転席のドアに衝突して転倒する事故に遭います。(*以下では日付は断りのない場合は事故日を基準としたものです) 

 

(B病院)事故当日から2年4ヶ月間通院

 事故当日…B病院。後頭部の痛み、手の痛み、手に力が入りにくいなどの症状を訴える。

 52日後…手に力が入りにくいとの症状を訴える。

 3ヶ月半後…左手の冷感を訴える。

 9ヶ月半後…左腕が挙がらないこと、左手のむくみを訴える。

 それ以後…左手の痛み、脱力感、むくみ、しびれ、触角過敏、左腋下の脱毛、左足の痛み及び運動障害を訴えるも、その訴えは一定しない。

      頭痛、項部痛、目眩、右第4指の運動障害、右手の痛み・しびれ・むくみ・関節痛・運動痛を訴えることもあった。

 1年8ヶ月後…症状固定となる。後遺障害診断書で、頚部痛、両上肢の筋力低下、異常感覚の後遺障害が存するとされる。関節可動域検査で左側の肩・肘・股関節のほとんどの運動が右側より制限されていた。

 2年3ヶ月後…2度目の後遺障害診断書で、RSDの症状が継続しているとされる。

 

 

   *上記のとおり片側の上肢が徐々に拘縮していくという典型的なCRPSの症状経過で、その過程で種々の症状が出ています。

   *このような典型症例でも、加害者側は(特定の時期に)特定の症状が出ていることが必要であると主張をすることが恒例です。しかし、CRPSには必ず生じる症状が1つもないことは医学では定説で、このことは国際疼痛学会やアメリカや日本の判定指標から一目瞭然です。

  *ところが、この判決は加害者側のこの主張を鵜呑みにして、「~の時期に~の症状は認められない」との指摘を多く書いています。

このレベルの裁判例が非常に多いためか、加害者側の提出する医学意見書は、「これはふざけすぎだ」というレベルの初歩的な誤りを多く含むものがよく見られます。初歩的な誤りであっても被害者側がその全部について反論し尽くすことは困難であり、裁判官がどれか1つでも信じてしまえばCRPSではないとの判断に至りやすいからです。 

 

(Cクリニック。B病院の主治医と同じ)2年4ヶ月後から通院

 2年4ヶ月後…Cクリニック。頭痛、頚部痛、右第4指の運動障害を訴え、トリガーポイント注射や消炎鎮痛剤などの処方を受ける。

 2年10ヶ月後…14級9号の後遺障害認定を受ける。

 

 

   *被害者の症状は主として左上肢に生じていますが、右上肢や左下肢にも波及しています。CRPSではこのようなミラーペインと呼ばれる症状の波及がしばしば見られます。

   *両側の上肢にしびれが生じる原因としては、胸郭出口症候群や手根管症候群が考えられますが、この事件では被害者は絞扼神経障害を判別できる検査は受けていないようです。これが認められると、絞扼神経障害に起因するCRPS(タイプⅡ)になります。

   *ところがこの判決は、「加害者側の症状が左上肢以外にも及んでいて一定していないのは、不定愁訴であって、実際にはその症状は存在しない」との方向で理解しています。 

 

(D病院・整形外科)2年11か月後から1か月半ほど通院

 2年11ヶ月後…D病院・整形外科。左手尺側の感覚麻痺、左下肢の感覚麻痺およびしびれ、右下肢外側の麻痺およびしびれ、同内側の感覚麻痺を訴える。

肩・肘・手関節及び股関節の自動・他動可動域は、右側よりも左側が制限されていた。聴取書では、初診時から左手の掌は腫れて固くなっており、皮膚温の変化に伴う発汗も見られたとする。

 

    * この時点で左上肢の拘縮が相当程度進行していたことが確認できます。 

 

 3年後…被害者は転倒して、左橈骨遠位端骨折の傷害を負い、3週間ほど左手関節がギプスで固定される。このときのレントゲンで左手の橈骨から手根骨にかけて、骨萎縮を疑わせる所見(輝度の変化)が確認される。

3年後…左上肢尺側のしびれ、両下腿~足底部のしびれ、感覚障害の後遺障害が存し、RSDと脊髄圧迫所見が合併していると思われる、と診断される。

 

   *橈骨遠位端骨折は、CRPSの原因となりやすい外傷であると多くの医学書で指摘されています。本件では被害者が3年後に左橈骨遠位端骨折をするまでに、CRPSの症状がかなり進行しています。

   *ところが、判決は、この怪我の後に確認された症状を引用して、「この怪我によりCRPSを発症した可能性もある」とのニュアンスを述べています。判決は一方では、「この被害者はCRPSを発症したとは認められない」とのニュアンスを述べています。もちろん、これは矛盾します。

そこで判決は、泥縄式に被害者の症状は「CRPSであるかどうかは別にして、本件事故により発症したCRPSであると認めることはできない」との理屈を述べています。これは抱合わせ否定論というべき論理で加害者側が用いる錯誤論法です。最近はこの理屈を取り込んでしまった裁判例をしばしば見かけます。

 

(Cクリニックで確認された症状)

 3年2ヶ月後…被害者の左手に関節拘縮があるとされる。

 3年3ヶ月後…左手について「剣山で刺されているみたいに痛む」との訴えがある。

 3年半後…「左腕が冷たい水に入っている感じがする」との訴えがある。

 3年7か月後…「どこを触られても痛む。今日は熱い感じがする」との訴えがある。医師が左手に腫れを確認する。

 3年9ヶ月後…左手の骨密度の低下が確認される。

 

(D病院・麻酔科ペインクリニック)3年9か月後から通院  

 3年9ヶ月後…D病院の麻酔科ペインクリニック。左手上腕の外転障害、肘から先の痛み、左下肢の痛みと冷感を訴え、星状神経節ブロック注射などを受け、2日間は指の動きが良くなる。

皮膚温の測定により、左右の差が確認される。関節可動域検査では、左側の上肢・下肢の可動域の制限が確認される。

 3年10ヶ月後…RSDの可能性が高いとの診断を受ける。ギボンズのRSDスコアによる。灼熱痛、浮腫、X線画像の異常、RSDに一致した骨シンチグラフィー所見、交感神経ブロックの有効性の5項目が該当するとした。

 4年1ヶ月後…障害内容の増悪・緩解の見通しについて、以前の診療録からCRPSタイプ1であったと考えられ、リハビリ、神経ブロックにより徐々に回復しつつあるが、今後急激に回復することは考え難いとされる。

 4年5ヶ月後…後遺障害認定に対する異議申立で再び14級9号とされる。

 4年10ヶ月後…異議申立に対して、再び14級9号とされる。

 

    *最終的には、典型的なCRPSの重症化例となっています。しかし、裁判例等で確認できる事案では、典型症例であっても、自賠責ではほぼ全部が3要件を満たさないとされています。統計的に見ても、3要件を満たすCRPS患者は1%未満(高く見積もってもせいぜい1~2%)と推測されます。これは基準に誤りがあるというほかありません。

 

3 CRPS(RSD)に必須の症状がないこと

 ⅰ 本件では最終的な症状がCRPSであることに問題はありません。しかし、判決はCRPS(RSD)とするための要件をひたすら厳しくする理屈を述べてこれを否定します。

   本件では被害者には多くの症状が存在するので、普通に考えれば容易にCRPS(RSD)との診断を肯定できます。そこで、加害者側は必須の症状を多くして、加えて、ある特定の時期に、特定の形でその症状が発症しなければならないとし、判決はこれをそのまま取り入れています。

判決は、①灼熱痛が初発症状として生じる、②浮腫は時間の経過とともに固い腫脹となる、③皮膚変化は初期に発赤となり、皮膚温の上昇を伴い、時間の経過とともに蒼白化し、皮膚温の低下を伴う、などの要件の加重を述べています。

 

ⅱ これはCRPSについての病期説に従うものです。CRPSについては、時期ごとの症状の変遷を経て重症化が進行することを、病期ごとの変遷として、表にまとめた医学書はしばしば見かけます。この病期説による説明は、CRPSの症状の経過のプロトタイプ(典型例)の説明として用いられるものです。

しかし、臨床での大規模調査では、実際にはほぼ全ての患者がその病期説による経過をたどらなかったこともあり、無用であるとする見解が支配的です。これを有用とする考えもありますが、それはCRPSの症状の進行のプロトタイプとして考慮することの有用性を述べるに過ぎません。

いずれにせよ、病期説は診断基準ではありません。そもそもCRPSに必須の症状が1つたりとも存在しないことは世界中の医師が認める定説であり、ましてや特定の時期にそれが生じる必要はありません。

 

4 診断に対する検討の仕方そのものについて

 ⅰ それ以前の問題として判決は診断を検討できる論理を用いていないという初歩的な問題もあります。この点は前回も述べています。

診断とは仮説設定や鑑別診断により、現に存在する症状について多くの候補の中から正しい傷病名を探し出す作業です。これに対して、誤った検討の典型例は、代替案との比較(鑑別診断)をしないことです。加害者側はこの方向に誘導します。

ある疾患について、その症状を列挙して症状の多さや各症状の重症度から、その疾患としての典型性の度合いを検討する。これは誤った検討の典型例です。判決は、この方向に誘導されています。

 

 ⅱ この誤った方法に誘導されてしまうのは、疾患への見方に根本的な問題があるためです。

例えば、ある疾患Pで生じる症状としてA~Gがあるとした場合、症状A~Gは全ての患者に必須ではありません。A~Cが主症状とされていても、それが全ての患者に生じるわけではありません。従って、A~Cのどれか1つが生じていなくとも、疾患Pと診断できます。

   これに対して、「疾患Pではなく疾患Rでその患者をより合理的に説明できる」として疑義を述べることもできます。これが鑑別診断です。

   以上に対して、「疾患PにはA~Gの全部が必須である」との主張が的外れであることは明らかでしょう。加害者側はこの主張を毎回のようにします。この主張では「では、この被害者の病名は何であるのか」は明らかにならないので、臨床でこんな考えをする医師はいません。

 

   話がそれますが、NHKで放送している『ドクターG』という番組では患者の症状が少しずつ説明され、3名の研修医がその時点で考えられる病名を答えます。ある時点での診断(初期仮説)がその後の情報(症状、検査)で変更を余儀なくされます。初期仮説としての診断が否定できるのは具体的な代替候補があるからです。

   このように多くの候補の中から、具体的な傷病名の比較検討を通して正しい病名を選び出す作業が診断の手順です。

   これに対して、1つの傷病名のみを検討して、その要件に当てはまるかという典型性の度合いを検討することは、誤った検討の典型例です。

 

5 抱合わせ否定論について

 ⅰ 事実と因果関係を同時に判断して否定する方法

   判決は、被害者の症状を検討するに際して、その症状の有無を端的に述べていません。通常であれば、被害者の症状を端的に認定して、「これらの症状について考えられる疾患は何か」を具体的な傷病名を挙げて、比較検討します。

   ところが、判決は全く逆の方向から検討しています。判決は、「RSDを原因とする疼痛の有無について」、とのタイトルを項目に付して「RSDを原因として生じた症状として、その症状が存在するか」を検討しています。

   端的に、その症状があるかどうかをまず確定させて、その後にその原因を検討するべきところを、否定の結論に導くための抱き合わせの検討をしています。

   判決は、別のところでは「RSDを原因とする腫脹の有無について」とのタイトルを項目に付して、同様に抱き合わせ否定論を展開しています。この方法は否定の結論を導くための論理トリックであり、正当な検討方法ではありません。加害者側はこの抱合わせ否定論をよく用います。

   判決は、症状が存在するかどうかを確定せずに、「とにかく本件事故により生じた症状ではない」、「とにかくRSDによる症状ではない」、「とにかく局所的な交感神経の反射作用等により生じた症状ではない」との趣旨を幾度も述べています。

 

 ⅱ 本件では最終的な症状として、左上肢下肢の関節可動域制限、左手の浮腫、左手のX線画像の異常、骨シンチグラフィー所見(骨密度の低下)、灼熱痛、交感神経ブロックの有効性、皮膚温の変化などの症状が確認できます。これらの症状を説明できるのはCRPSのみであることは、容易に認められます。

 

   ①そこで加害者側は代替案を出さずに、CRPS(RSD)であるとするための要件をひたすら厳しくする方向に誘導します。この点は上で述べました。

   ②これと並行して、症状の存在そのものを否定するための特殊な理屈を述べます。まず、「症状が一見して明白なほどに重症ではない」として重度の症状以外は無視することを主張します。「CRPSというのは重い難病であるから、単に症状があることのみでは足りず、重度の症状が持続的に出ていなければダメだ」という趣旨の主張をします。もちろん、これは暴論です。

   ③上記によっても症状の存在を否定することが困難な場合には、関連性(因果関係)の同時立証を求める論理を述べて、「その症状が存在するかどうかは別として、とにかくCRPSを原因とする症状ではない」などの主張をします。これが抱合わせ否定論です。

 

 ⅲ 判決は、「RSDを原因とする疼痛の有無」とのタイトルで「RSDの症状として見られる疼痛は、患者が罹患部への接触を拒むほどの著しいものであり、多くは初発症状としてみられ、持続性を有するものである」と述べます。もちろん、これは誤りです。

   また、「RSDを原因とする腫脹の有無について」とのタイトルで「RSDの症状として見られる腫脹は、罹患部位を中心として浮腫を伴って生じ、多くの例では時間の経過とともに固い腫脹となる。」と述べます。これも誤りです。

   また、皮膚変化については、「RSDの症状としてみられる皮膚変化は、初期においては発赤と健側と比較した場合の皮膚温の上昇を伴い、時間の経過とともに蒼白化と健側と比較した場合の皮膚温の低下を伴う。またRSD発症の初期段階では、罹患部位の発汗が過多となる」と述べます。これも誤りです。

 

 ⅳ 上記のような症状経過をたどる患者がごく一部にいるとしても、それが必須の因果経路ではありません。

そもそもCRPSには必須の症状は1つたりともありません。例えば、腫脹(腫れ、むくみ)が生じないCRPS患者もいるため、わずかな腫脹(むくみ)であっても、擬陽性として積極的に考慮します。このことからは、普通に目で見て分かるむくみがあれば、「腫脹」の要件を優に満たすことは容易に理解できるはずです。上記のような特殊な限定が不要であることは、当たり前すぎることです。

同様に、疼痛も灼熱痛に限られません。皮膚温の変化もその変化があることが分かれば、その要件を満たします。皮膚色の変化も目で見て分かるほどのものであれば、優にその要件を満たします。

これはごく初歩的な知識ですが、訴訟ではこれに反する内容の医学意見書が出されることは頻繁に見られます。ところが、その名義人が高名な医師であったり、裁判所選任の鑑定人であったりすると、裁判官が入れ食い状態で信じてしまっているのが、現状です。

 

6 事実認定の空洞化

 ⅰ 代替候補を挙げずに診断を否定すると、その被害者の症状を説明できる代替案が残りません。抱合わせ否定論で「症状の有無は別として、とにかくRSDによる症状ではない」と認定すると、その被害者の症状を説明できる理屈は残りません。

   従って、この検討方法はそれ自体が根本的な問題を含んでいることは明らかです。むしろ、どうしてこの理屈を取り入れてしまったのかということに疑問を感じます。

 

 ⅱ 判決は、被害者の主張する症状が存在することは概ね否定することなく、(特に判断することなく)「本件事故による受傷を契機としてこれらの症状が生じたことを認めることはできないから、いずれの診断基準に依拠したとしても、原告に本件事故を原因としてRSDが発症した事実を認めることはできない」と述べます。つまり、「とにかくこの事故によって生じたものではない。」とだけ認定しています。

 

 ⅲ この認定はそれ自体に問題があります。この点は前回も述べました。

もとより事実認定は「何が起きたのか」を認定するものであり、「~であると認めるに足りる証拠はあるか」との視点で見ることは誤りです(自由心証に証明責任を取り込む誤り)。

   この判決の認定は、自由心証で結論が出ずに証明責任を適用したようにも見えますが、症状の有無や診断の適否は間接事実であるため、そもそも証明責任を適用するべき領域ではありません。判決は、症状の存否、診断の適否などの個々の間接事実の証明力を、主張事実の証明度と同様に扱い、その上で証明責任を適用しているように見えます。

   そもそも証明責任は事実を認定するための道具ではなく、事実が認定できなかったときに結論(法規の適用)を決めるための道具です。「~であると認めるに足りる証拠はあるか」との視点で事実を認定すること自体にも問題があります。

間接事実については、形成された程度において心証を開示する必要があります。その心証を積み重ねて、主要事実についての最終的な心証が形成することができなければ、真偽不明として証明責任に結論を委ねることもできます。しかし、それ以前の段階で証明責任を先行させてしまうと、間接事実のレベルで心証が空洞化してしまいます。その結果、事実認定も空洞化してしまいます。

   この判決は、証明責任を事実認定に取り込む誤りに陥り、それを間接事実にまで拡大し、「とにかく~ではない」との結論を多用するため、「何が起きたのか」は認定されず、事実認定が空洞化しています。この点は、審理不尽と言わざるを得ません。

 

7 メカニズムを因果関係と取り違える誤り

 ⅰ 判決は、因果関係の検討においては、ある特定のメカニズムに従った因果経路であることが確認できなければ、因果関係を認めることはできないとの考えに立脚しています。これは明確な誤りです。

判決は、結果の有無を認定した後に、その結果を生じる可能性のある原因を探求するという方法を排除しています。現実には、因果関係はこの方法で認定されることがほぼ全部であると思います。この方法は、ルンバール事件の最高裁判決でも用いられています。

 

 ⅱ これに対して、原因となる事象から結論に至るメカニズムを設定して、そのメカニズムのとおりに事実が生じたことを認定できなければ因果関係を認められないとすることは、因果関係を検討する際の最も重要なルートを削除することになります。

   ルンバール事件の最高裁判例では、結果を認定したのちに、「その事象以外に原因は考えられるか」との視点で検討しています。他に原因となりうる事象が見当たらなければ、時間的近接性(連続性)などからその事象が原因であると認定することができます。

   本件では、事故からの症状の連続性からは、被害者の症状が事故から生じたことは明らかであり、その詳細なメカニズムが解明されなければ因果関係を認めないとすることは、最高裁判例に反することとなります。

   抱合わせ否定論は、このメカニズムを因果関係と取り違える誤りに誘導して、因果関係を認定する主要ルートを塞ぎ、一方で間接事実に証明責任を適用する誤りにも誘導し、否定の結論を導くためのトリックとなります。

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